外国人の離婚と再婚

 外国人の方が離婚する場合、一旦、母国に帰国しなければならないかというと、必ずしもそうではありません。というのは、帰国せずとも、日本の方式で離婚や再婚が可能な場合もあるからです。詳しい話をすると専門的にならざるを得ないので、ここでは避けますが、「帰国しなくても離婚できる」というのは、外国人にとっては大変なメリットとなる場合もあります。

 日本における離婚の約8割は「協議離婚」によるものと言われています。しかしながら、外国での一般的な離婚の方式は「裁判離婚」であり、協議離婚を認めていない国も多数あります。そのような国から来た外国人の方が、日本で離婚した後、新たな相手と再婚したいと希望した場合、普通に考えれば、「母国に戻って裁判離婚し、独身を証明する必要な書類を準備して再婚をする」という流れになります。

 しかし、日本で仕事を抱えているような場合、なかなか帰国の時間が取れず、離婚手続きがスムーズに進まないものです。そのような場合、日本において離婚と再婚の手続きをしてビザ申請を行う方法があります。一般的には、このような方法はあまり知られておりませんが、もちろん法律に基づいた届出ですので、市役所でも認められますし、入国管理局への申請も可能、もちろん許可も出ます。

定住者への変更

 今回のお客様の場合、フィリピン国籍の方でしたが、全ての国でこのようなやり方が推奨されるわけではありません。国によっては止めたほうが良いという場合もあります。もちろん、本国では婚姻した状態が続いておりますので、最終的には母国で何らかの手続きをして離婚・再婚を成立させる必要があります。あくまでも、緊急避難的な措置であることに変わりありません。