久しぶりの研修講師

 去る11月24日(金)に、港区勤労会館で開催された多言語行政書士協会の研修会で講師を務めました。企業向けセミナーは結構やっている方だと思いますが、行政書士向けの研修講師は実に5年ぶりです。

 テーマは「渉外戸籍業務の基本と実践」ということで、外国人との婚姻・離婚・認知・養子縁組などを一通り解説したものです。私にとっては普段の業務ですので、ある程度、理解しているつもりですが、他人に説明するとなると、やはり違いますね。参加者の中には、本当の初任者の方もいらっしゃるので、「こんなの分かっているだろう」的な説明は、なかなか許されるものではありません。

 外国人との間の戸籍実務(渉外戸籍)は、国際業務の中でもマイナーな存在ですので、実際に対応できる行政書士は限られているのが現状なのですが、在日外国人の数が増加の一途を辿っている現在では、避けて通れない業務であるというのが私の認識です。この分野に精通する行政書士が、もっと増える事を願って、この度の講師を引き受けたという経緯もあります。

 戸籍業務自体は、もちろん市区町村の戸籍係で対応してくれるのですが、結婚・離婚ビザの申請に影響を与える戸籍手続については、知っているのと知らないのでは大きな違い生む分野でもあります。ですので、戸籍手続に実務家が関与するメリットは大きいのです。

 とは言え、自分の業務にするためには、膨大な勉強と時間が必要になります。私も、一通り自分のものにできたなと実感できるまでには数年を要しています。私が今回お話出来たことは、単なるファーストステップです。今回の研修を通じて、戸籍手続のエキスパートの数が一人でも増えることを願っております。