新しい戸籍先例を作った話(日本人とラオス人の国際結婚から)

 日本人とラオス人の国際結婚については、従来、ラオス人側の必要書類として「結婚許可証」が必要とされてきました。これは、独身証明書や出生証明書、健康診断書などの書類を集約化したもので、日本の役所は、この結婚許可証を婚姻要件具備証明書とみなすとされています。

 この取扱いは、日本の戸籍先例として確立されてきたものであり、私もそれが普通と思っていました。

 ですが、ラオス国内の田舎の地域では、結婚許可証を取得するのに必要とされる書類の一部が入手できない場合があります(というか、今回、初めてそのような地域があることを知りました・・・)。そのため、今回は代わりとなる書類を集め、その書類の意味するところや、婚姻に至る経緯、なぜ日本で先行して婚姻届出をしなければならない理由などを記した法務局宛ての書面を作り、受理照会の後、正式に受理されました。私もこの仕事をして、それなりに経験値があるつもりでしたが、法務局宛ての理由書を作成したのは初めてです。

 その後、入国管理局へ申請を行い、申請して1か月後、在留資格認定証明書が交付されました。管轄が横浜入管でしたので、思ったより早かったです。

在留資格認定証明書(ラオス)

 今回の受理照会について、当事者には「受理された」という結果を知らされれるだけですので、実際にどのような協議がされていたのか、私としては非常に興味があるところです。それを知る唯一の方法として、株式会社テイハンから出版されている「戸籍」という専門誌に、法務局への照会の内容、検討内容の詳細が掲載されることがあります。

 是非、今回のケースを取り上げてくれないかなあと思っているのですが、難しいでしょうね。なにせ月刊誌で、月1個の事例しか取り上げませんので(笑)。しかし、今回の事例により、新たな戸籍先例ができたことは間違いないところですので、今後のラオス人と日本人の国際結婚における貴重なリーディングケースになったと言えそうです。