外国人が日本の手続きで再婚するのは、そう滅多にあるものではありません。例えば、アメリカ人とイギリス人の夫婦が離婚する際、その手続きはアメリカ、若しくはイギリスの法律に基づいて行います。日本の法律で行うことは稀でしょう。
というのは、日本の手続きによって成立した再婚は、当事者の国では認められないこともあるからです。例えば、日本では離婚手続きは、ほとんどが協議離婚によって成立しますが、海外で協議離婚を認めている国は少数派です。
そのような理由もあり、日本の役所に外国人同士が離婚届を提出する事態というのは珍しいのですが、中には日本で行った方が良い場合があります。例えば、再婚の際、婚姻要件具備証明書がすぐに出ない場合、日本の法律に基づいて行ったほうが、本国の大使館で手続きするよりも、スムーズに進めることができることもあります。
下記の事例はフィリピン人の方の離婚・再婚の事例ですが、お相手の方は前婚も後婚も外国人(フィリピンではありません)の方でした。私がこの仕事を始めた10年ほど前は、そのようなケースは珍しかったのですが、最近はよく見かけるようになりました。
なお、この事例は、東京入管さいたま出張所に申請したものですが、首都圏の出張所は品川入管とそれほど大差なく審査してくれます。一方、それ以外の地域(特に近畿・九州圏)は、下手に出張所に申請してしまうと酷い目にあうこともあります。「取りあえず、入管ならどこでも同じ」というわけではありません。