「友達は簡単にビザが取れるといっていた」
お客様からのご相談を受ける際、このように言われることが多々あります。
しかし、大変申し訳ないのですが、長年、この仕事をやっていて、お友達の情報が正しかったことは滅多にありません。
私は常々、お客様に「友達の情報は全く当てになりませんので、気を付けてくださいね」と口を酸っぱくして言っています。
しかし、中には私の言葉に納得できずに、友達の情報にもとづいて自分で申請したり、あるいは、その友達の勧める行政書士のところに行って申請をしたりする方もいます(大体、そういう方は違法申請をしているのですが・・・)。
結局、申請は不許可になり、その友達に対して「簡単にビザが取れるといっていたのに、話が違うじゃないか!!」とケンカになるのです
それは信じたあなたも悪い・・・というのが正直なところですが・・・
それはさておき、なぜ、友達の情報が当てにならないのでしょう?
ここでは、実際に私が調査して判明した理由をいくつか挙げてみましょう。
友達の情報が当てにならない理由
⓵.情報が古い
⓶.本当はとても苦労したのに、見栄で簡単と言っている
⓷.実は友達からのまた聞き
⓸.まったくのデタラメをあたかも本当のように吹聴している
大体、この4つのどれかであることが多いです。
1番の「情報が古い」というのは、例えば、短期ビザから結婚ビザの変更はとても簡単だった時期があるのですが、その情報をそのまま伝えてしまっているケースです。
確かに、2005年~2010年くらいまでは、このようなケースは簡単でした。
しかし、2011年くらいから偽装結婚対策が厳しくなり、現在では正当な理由をきちんと立証できない限り、許可が下りなくなってきています。
2番は外国人ならではと言ったところかもしれません。特に、アジア諸国やアフリカの方に多いですね。
その友達の申請を詳しく調べてみると、自分で申請して3回不許可が出て、結局、行政書士に依頼して許可を得たのに、さも自分でやったように振舞うといったケースです。
3番目も多い事例です。
「連れ子なんて簡単にビザを取れるよ」と言っている本人には、実は連れ子なんていなかった・・・というケースです。
これも、よくよく突き詰めていくと、「実は、私の友達から聞いた・・・」といった感じです。
4番目は少ないですが、意外に馬鹿にできません。
なぜか外国人の間には、自分の願望が許可を受けた実例にすり替わってしまっているケースがあります。
「許可が出ればいいなあ」→「きっと許可は出るさ」→「許可は出るに違いない」→「許可が出たよ!!(おいおい・・・)」
という感じです。
別に本人が願望を持つのは結構ですが、相談する側からすると、それが許可を受けた実例のように話されたら、たまったものではありません。
私のような国際業務を生業とする専門家は、少なくとも年間100件以上の申請を行います(100件も取り扱わない人は「専門家」とは言いません)。
自分の周りの数件しか経験がない友達と、どちらの情報に信頼が置けるかは、比べるまでもないと思いませんか?