前例がほどんどない国の結婚ビザについて

 世界にはいろんな国がありますが、日本との関係性が濃い国もあれば、薄い国もあります。例えば、アメリカ、中国、韓国、タイやフィリピンなどは、政治的にも経済的にも交流が盛んで、このような国々とは人的交流も深まりますので、国際結婚の事例も数多くあります。 そのため、結婚手続き自体はそれほど困ることはありません。

 一方、日本とそれほど交流がない国の場合、結婚手続きを調査するのも一苦労です。届出を受ける役所の方も、それほど情報がありませんので、役所に聞いても期待通りの答えが出てこない場合がほとんどです。また、先に日本で婚姻届を出すべきなのか、相手国で先に手続きをすべきなのか、相手国で先に手続きができない場合はどうすればよいかなど、いろんな問題が付きまといます。なかなかこの様な問題に個人レベルで対処するのは難しいものです。

 下記の事例は、アルバニア人の方の結婚ビザの事例ですが、2017年12月に受託して今年の3月に許可が下りたものです。国外のとある国で知り合い、お互いに相手の国へ渡航したことはありませんでした。結局、このようなケースで、相手国での婚姻手続きは難しいと判断し、短期ビザで日本へ招聘し、婚姻届出の後、結婚ビザへの変更申請を行いました。

アルバニア人との結婚ビザ

 統計では、日本に在留しているアルバニア人の数は70人程に過ぎず、そのほとんどが大使館勤務の方で占められています。日本人とアルバニア人との結婚事例もほとんどなく、私自身も、取扱いの経験がありませんでした。そのため、調査もゼロから始めましたが、大体、予定していたスケジュールで全ての手続きを完了することができました。

 実際のところ、基本的なアプローチが身についていれば、自分が対処したことがない国であっても、それほど違和感なく対応できます。よくお客様から「〇〇の国の結婚ビザについて、ご経験はありますか?」と聞かれることがありますが、日本と交流が少ない国の結婚ビザの場合、経験の有無とビザの許可とは、あまり関係がないというのが私の実感です。