短期ビザから結婚ビザへの変更について

短期ビザ(たとえば観光ビザ)で来日して、そのまま結婚ビザへ変更を希望する方がいらっしゃいます。

このような希望を持つ方は非常に多いのですが、実は原則、短期ビザから結婚ビザへの変更は出来ません。

根拠条文としては、以下の通りです。

(在留資格の変更)

第二十条
3  前項の申請があつた場合には、法務大臣は、当該外国人が提出した文書により在留資格の変更を適当と認めるに足りる相当の理由があるときに限り、これを許可することができる。ただし、短期滞在の在留資格をもつて在留する者の申請については、やむを得ない特別の事情に基づくものでなければ許可しないものとする。

このように、短期ビザから変更するには「やむを得ない特別の事情」がなければなりません。

逆に言うと、この「やむを得ない特別の事情」があれば許可の可能性があると言うことになります。

では、この「やむを得ない特別の事情」は何なのかというと、こちらは裁判例があります。

「短期滞在の在留資格で入国したものが長期在留等を希望するときには、いったん出国し、その在留目的に見合う査証を所持して、入国審査を経て入国するのが本来の形態であるから、このやむを得ない特別の事情とは、
(1) 短期滞在の在留資格を有する者について入国後に新たに在留資格の変更を必要とする事情が発生したこと
(2) 当該申請者がいったん出国してしまうと、その変更申請に係る在留目的で再度入国することが極めて困難であること
等の特別の事情をいうものと解すべきである(東京地裁平成6年3月30日判決)。」

しかし、実際問題、この要件を満たすのは非常に難しいです。

ですので、今ある資料から、この要件にできる限り近づけていくことになります。

基本的に、この手の申請はご本人では難しいですので、専門家に依頼すべき案件と言えます。